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ブログ KeyShotの物理光源の作成・使用について

KeyShotのシーン証明は2種類あります。HDRIを利用するのが一般的ですが、物理光源も同様に使用でき、両方とも連携で使うことも効果的です。物理光源を追加するには、ライブラリから光源マテリアルをジオメトリにドラッグ・ドロップします。KeyShotライブラリには4種類の光源マテリアルがあり、シーンに対して様々な効果を適用できます。適切な光源を選択するには、それぞれの光源マテリアル効果を理解することが重要です。

KeyShot光源のマテリアルタイプ

① 面光源拡散
② 点光源拡散
③ 点光源IESプロファイル
④ 発光マテリアル

光源マテリアルタイプのプロパティ

面光源拡散


・適用されたジオメトリの各サーフェスから光が放出される
・ジオメトリの可視/不可視を選択可能
・柔らかい照明と影の効果がある
・サーフェスの法線に沿って発光される
・ローカル(周辺)イルミネーションに最適
・ジオメトリの表面、もしくは裏面に適用(両面に適用すると望ましくない効果が出てしまう)
・明るさ調整単位はワット、ルーメン、ルックス

点光源拡散


・光は適用されたジオメトリの中心点から発光される
・ジオメトリが不可視になる
・シャープなハイライト・影の効果がある
・無指向性の光のため、発光点からあらゆる方向に光を放射
・シーン全体の証明に最適(小さな太陽のような効果)
・明るさ調整単位はワット、ルーメン

点光源IESプロファイル


・光は適用されたジオメトリの中心点から発光される
・ジオメトリの替わりに光源の形を示す「IESケージ」が表示される
・IESプロファイルは照明器具の照度データで放射する光の色、形、強度情報を指定する光源ファイル
・指向性のため、適用ジオメトリの回転すると方向の調整が可能
・実際の電球などを再現することに最適
・乗数で明るさを調整する

発光マテリアル


・シーン全体の照明に利用しない
・低輝度光源に最適
・適用ジオメトリの各サーフェスから発光される(面光源拡散と同じ)
・生物発光材料、携帯電話、タブレット、コンピュータ、畜光製品、テレビ、LEDなど発光材料に使用
・サーフェスの法線に沿って発光される
・テクスチャを適用可能
・ジオメトリの表面、もしくは裏面に適用(両面に適用すると望ましくない効果が出てしまう)
・ジオメトリの可視/不可視を選択可能
・強度で明るさを調整する

単位

物理光源を利用する際、シーンおよびモデルの単位を考慮する必要があります。尺度に正しく構築されたモデルを利用することを推奨します。尚、KeyShotにモデルをインポートしてからモデルの尺度変更を控えてください。
光源がモデルから離れているほど暗くなってしまうため、距離も充分に考慮しましょう。

ワット

・明るさではなく、電力の単位
・例:100ワットを消費する白熱電球は約1,600ルーメンを放出する

ルーメン

・放出光の単位
・例:1,600ルーメンを放出するLED光源は約18ワットを消費する

ルックス

・ルックス(ルーメン/㎡)サーフェス面積を考慮した光強度の単位
・例:1000ルックスの光を発光する1㎡のサーフェスは、1000ルックスを発光する2㎡のサーフェスより明るく見える。光はサーフェスを広げると全体の輝度が減少する。

強度

・IESプロファイルにはすでに特定の輝度設定が含まれており、KeyShotはその輝度を「1」として示す
・KeyShotの強度を調整すると実際の輝度を調整可能

乗数

・IESプロファイルにはすでに特定の明るさ設定が含まれており、KeyShotはその乗数を「1」として示す
・KeyShotの乗数を調整すると実際の明るさを調整可能

物理光源のベストプラクティス

KeyShotのHDRIと物理光源を連携で利用するとより現実に近いシーンを実現できます。以下のキーポイントを覚えておくとさらによい効果を得られます。
・全サーフェスの光効果を見るためにはグローバルイルミネーション有効にする必要があります
・地面平面がない場合、「地面視程」を有効にしないと地面が見えにくくなります
・シーン全体の照明として発光マテリアルを利用しないこと
・人工光源をシミュレートする場合はIESプロファイルを利用します
・点光源はKeyShotのレンダー負荷が軽く、効率的です
・面光源の効率度は、適用ジオメトリに依存する
・実際のものに相当するモデルの尺度にすると効果的です
・明るさ設定はルーメンまたはルックスによる調整が最適です
・ジオメトリの両面に対して光源を適用しないこと(面光源拡散・点光源拡散に限る)